アクリル板は用途が広く、サインボードからアート作品、家具まで、幅広い分野で使用されています。
アクリル板には主に
- 押出
- キャスト
という二つの製法があり、それぞれ特性が異なります。この違いを理解することは、材料選びにおいて非常に重要です。
押出アクリル板とは
押出アクリル板は、アクリル樹脂を溶融し、ローラーで連続的に押し出して製造されます。
- 均一な厚さが特徴で、板厚の寸法精度が高い。
- 大量生産に向いており、比較的低コストであるため、大規模なプロジェクトや予算に制限がある場合に適している。
- 溶剤や薬剤でヒビが入りやすい。
- 精密な加工を必要とする場合には不向き。
- 熱に弱く溶けやすいため、高速切削加工やレーザー加工には向かない反面、熱曲げ加工はしやすい。
- 溶剤接着しやすい。
- キャストに比べて硬度が低いので反りやすい。
キャストアクリル板とは
キャストアクリル板は、液体状のアクリル樹脂を2枚のガラスの間に流し込み、硬化させて製造されます。
- 板の厚みが一定でない。
- 加工時の割れが少ないため、精密な加工が可能。
- 色のバリエーションが豊富で、透明度が非常に高い。
- 高品質を求める用途や、特別なデザインが必要な場合に適している。
- 彫刻、切削に向いている。
- 押出アクリル板に比べてコストは高価。
- 押し出しに比べて硬度が高いので反りにくい。
- 板の厚さや大きさなどオーダーメイドできる。
選び方のポイント
用途
製品やプロジェクトの目的に合わせて選びましょう。高い透明度や特殊なデザインが求められる場合はキャストアクリル板、大量に使用するプロジェクトやコストを抑えたい場合は押出アクリル板が適しています。
予算
予算に制限がある場合は押出アクリル板、予算に余裕がある場合はキャストアクリル板を選択すると良いでしょう。
加工性
精密な加工を必要とする場合は、加工時の割れにくさからキャストアクリル板を選ぶと安心です。